向フ山

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登山開始。

いろいろと観察はしたが、やはりどこにも、普通に登れそうな場所は無かったので、意を決して最初の場所から登る事にしました。

ガシッ!!と取り付く。

土も葉も少し湿っているし、塀の丸い石は苔生していて、滑りやすく登りにくい。

あれ・・っ。登れない(笑)

一度バックパックを塀の上に載せて、身軽になって再チャレンジ。

よし、乗った。

塀の上から下の林道を見る。

草は露で濡れてるし、微妙に濡れて気持ち悪いよ!!(笑)

それに完全に不審者である(笑)
こんな所他人に見られたら、変態と思われる!!
ここからは、速やかに人の目が届かない領域まで登攀する必要がある。

上を見上げる。

登るしかねぇ!!!

かなりの急斜面だし、小枝、枯れ葉などが積み重なった斜面は柔らかく歩きにくい。

気合で登る。

3〜4m登って、帰りたくなった(笑)

本当にこれは正しいのか・・と、自分に問い直す。

冬の方が草とか少なくて登りやすいんじゃないの?と自問自答してみる。

ちょっと登って、斜面を撮影してみた。

足元の土がかなり脆い感じで、斜面に立っていられないので、立木を上手に利用して、木から木へと移りながら、じわじわと登る。

立木の裏側(山側)に立って休む。

やべ〜〜なここ・・。。

木から木へと移りつつ、周辺の様子は良く観察する。
20mぐらい登ると、斜面の様子も少し変わってきて、比較的登りやすくなってきた。

斜度や土質は同じだけど、雑草が少ないのが嬉しい。

ここからも、さらに上を目指して登って行くのだが、どちからと言えば、右側の方へ斜めに斜面を切るように登る事にした。

尾根の上を目指します。

よし、次はあの木まで移動するぞ。

木の裏に手を伸ばして身体を引き寄せる。

全身から汗が吹き出し、早くもシャツがびしょびしょになっている。

斜面の様子。斜度が落ちてきている。

かなり登ってるつもりだが、40m〜50mぐらいしか登ってない。

かなり手強いな〜〜。

しかし、自然と口元が緩んで笑みがこぼれてしまう。

途中、登りながら振り向く。

若干傾斜が緩んできたので、ここからさらに斜面を右側へ強めに横断する。

植物が邪魔でしょうがないよ。

そして悪戦苦闘しつつ、横断していると・・・。

おおおおっ〜〜!!?

きた〜〜っ!!

尾根の真上に出た〜!!

こんなにハッキリとした尾根筋があったんだ〜。

尾根の下の方を見る。
最初からこの尾根筋を登れればいいんだけど、この下は採掘場の敷地の中だと思う。

※この尾根をそのまま下ると、採掘場に通じる階段が出てきて敷地の中に出るみたいです。

尾根筋の下を見たところ。

あとは、忠実にこの尾根の上を登って行けば『向フ山』へ到達できるはずである。

尾根の上に乗った!

どこから登り始めて、どこで尾根の上に乗ったのか、わかりにくいと思うので、拡大してみます。

標高にして60mぐらいしか登ってない。

無理をしないように上へ向かいつつ、尾根の方へ乗るという作戦で正解だったようです。

さて、ここで一度ザックを降ろして水を補給する事にしました。
喉がカラッカラです。

ザックの肩ベルトの汗がすごい(^^;)

腕が泥で汚れている。

さあ、まだこれから先は長い。

改めて、目指せ『向フ山』

いくぜっ〜。

腰に力を入れて、登るのです。

最大の難所は超えたはず、ここから先は、ただ登るだけだ!!(たぶん)

上を見上げる。

バリエーションとは言っても人の手は入っている。

このルート、いわゆるバリエーションルートだと思いますが、
林業の人は普通に仕事をしているような山である事には変わりない。

強い踏み跡だ。

あるぞ、道を感じるぞ。

どんなコースであっても、たいていの場合、尾根筋には、強い踏み跡があるものだ。 これはこの場所であっても例外では無かった。

踏み跡さえあれば、こっちのものだ!!という思いが強く出る。

周辺の様子。

登って行くと、時折尾根を横断している細い道と交差する。
作業道が無数に走っているようです。

作業道かな。

そして上へ登って行くと、ところどころで大きい露岩が山肌に張り付いているのが見えます。

大きい岩です。

序盤、特に山に登り始めた時の険しさも完全になくなり、
上へ行けば行く程に傾斜も緩んで歩きやすくなってくる。

おっ・・看板だ。

何の変哲もない景色です。

足元。

おっ・・瓶が落ちてる。

100mも登っただろうか? 狭いけど平な場所が出てきて、ここで休憩を取る事に決めた。

氷水が美味い(^^)

ふ〜。やれやれ。。

この後も・・・ひたすら何の変哲もない尾根を登って行きます。

代わり映えしない、単純な針葉樹の森を一定のリズムで淡々と登ります。
しばらく登って行くと頭上に緑の壁が見えてきた。

なんだありゃ。

ずっと登っていると・・正面に緑が見えてきた。

思ったよりヤブが濃さそう。

うわっ・・なんだよここ(^^;)

ヤブ濃すぎ〜(^^;)

だが、ここは僕も慣れたもの(?)で。
そうだイイコト考えた〜(^^)

戦わないのも兵法であーる!!

完璧です。

藪を右手に見送りながら登る。

再び、何の変哲もない植林。

蝉ちゃんの抜け殻が多い。

コツコツ詰めて行く。

登りながら、藪の方へ寄ってみる。

藪エリアを迂回中。

藪の中に謎の板があった。

赤とんぼが沢山飛んでいました。

嫌な羽虫がいないな・・と思っていたら、トンボが沢山飛んでいました。
全部トンボに食べられちゃったのかな。

藪の向こうに採掘場が見える。

下の方からは見えなかったけど、上の方にはいっぱい働く車が停まっていた。

働く車。

また、別の斜面を見ると、綺麗に植林がされていました。
採掘が終わった山肌は、植林などを施して自然を復活させる義務が、都の条例で決められているそうです。
天祖山なんかも植林してるらしいのですが、上手くいってないようです。

遠目に見るといい感じで木が育っているように見えるが・・。。

冬に歩けば、藪も消滅してて、もっと見晴らしが良いんだと思います。

頑張って登る。

うおっ!!?ヘビだっ!!

なんだ、ただの枝か・・(^o^;)

驚かせやがって・・(^^;)

道の様子。

おや・・なんか藪が・・。。

こんな所で藪につかまってしまった。

見た目ほど酷くはない。

だが、皮膚がスパッ!と切れそうな葉だな。

藪を突破。

振り返って・・いい景色だ。

藪を越えると、見晴らしが良い場所に出る。藪地帯の最上部にでました。

そしてそこからも単調な植林です。

平凡な森だ。

ここまでやってくると、傾斜もかなり緩く、歩きやすくなっています。

山頂は目の前だ。

もう、ここまで来たら、歩みを妨げるものは何もない。

この時、僕は登頂を確信した。

ついに終わる時が来た・・そう思いました。

この緩やかで易しい斜面の上が山頂です。

旅の終わりを確信しましたが、特別な感情は沸き起こって来ませんでした。

一歩一歩を積み重ね・・。。

ついに、ここまでやってこれた。

まさか、こんなに時間がかかるとは、思ってなかったなぁ・・。。

やっと終わるな・・。。

なぜ、こんな事をやっているのだろう・・と思う事が何度もあった。

しかし・・。

ついに・・。

私の旅が終わり、

『東京登山』という、ひとつの山行が、完成する。

斜面を歩みながら、自分の足元の写真を何枚か撮影していたら、
傾斜が急に無くなり、平坦になった。

顔をあげると・・。。

そこは『向フ山』の山頂だった。