天地山

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道なき道を進む。

さー。。ガンガンいきましょー。

道なき道を進む。

さらに進むんだけど。お目当ての尾根は頭上の左手に見えていた。
あそこが正規の登山道だ。
このまま進んでも埒があかない気がしたので、
いっその事この斜面を直登しようと決める。

てなわけで登り始める。

目で見るとすぐそこに尾根の上部が見えていたんだけど、
実際には思ったより遠くに感じた。

道もあまり良くないし、すこしだけど藪気味だった。

何度も何度も休んで、地味に頑張って登った。

ものすごく長い距離を登った気もするけど、
今振り返ってみるとよくわからない。そんな感じだ。

そしてはっきりと斜面の終端が見えてきた。

よ〜〜し!!頑張った俺(^^;

ってあっさり書いてるけど、この山行は単独行だから可能。
もしパーティー登山だったら不安を与えるだろうし、
女子と山登りしてたら、たぶん怒ってると思う(笑)

登り切った所、ここが正規の登山道のはずだ。

しかし喜びもつかの間・・尾根の上は雪が想像以上に深い。
当然登山道なんてものは見えない。

やべぇな・・。。

うーむ。スパッツ持ってくるんだった・・。。

しかも、横殴りの風が冷たいのなんのって・・。

厚着してきて良かった。

しかしフリースの上にウィンドブレイカーを着込んできてよかった。
いや、よかったっていうか無いとやばかった。

※登山の世界では風速1mで気温-1度と言われている。
風速10mなら-10度なのだっ。

踏み跡は無い。

マイナールートな上に冬なので、トレースどころか踏み跡が無い。

右手には鋸尾根が見える。

鋸尾根は手を伸ばせば届きそうなぐらい近く感じたけど、
実際には遠い。

くっそ・・耳が寒い(^^;

イヤーウォーマー持ってくればよかったなぁ。

手で耳を塞いで温めたりして凌ぐ。

積雪は30cm程だったか・・・。。

どこまで続くのこの斜面・・ってなぐらい長い。

めり込みます。

風を遮る場所もほとんど無い状況。
止まると寒いので、ひたすら前進あるのみといった感じ。

でも、かなり登ってきているはずなので、天地山はそんなに遠く無いはずなんだよね。

根性〜(^^;

そして幾度と無く雪を蹴り込み、ひたすら登って行くとお目当てのピークが出てきた。

おおおっ。。

天地山

天地山に到着・・。。
かなりしんどかったなぁ〜(^^;)

山頂の様子。

天地山は四方が木に遮られているが、
一部隙間があり遠くに美しい景観を楽しむ事が出来た。
ただ何の山が見えているか同定する余裕がなかった。

・・・・。。

ここまで水を飲む余裕もなかったので、水分補給をした。

今日の水は北海道の『ニセコWater』です。

ニセコの水は甘くて美味しかった。

そしてパワーバーをかじろうと思ったが・・。。

カチカチに凍っていて食えない(^^;)

こっ・・・これが冬山の恐怖かぁ・・(^^;)

※凍らない行動食をもってこよう。

とりあえずバックパックの背面パッドに潜り込ませておいた・・
溶けたら後で食べよう・・(^^;)

天地山の様子。

きょろきょろしたけど、山頂プレートのようなモノは無かった。

これから進む方向。

山頂も雪が深くて30cm以上はゆうにあった。

山頂にて・・。。

一息ついて前進。ここからは鋸尾根との合流地点を目指す。

だが、ここからがこの旅の核心部分だった。

地図を見るとちょっと高度を下げて、また登って行くって感じなんだけど、
天地山から下ろうとするもここから先は岩稜地帯になっていた。
ここは歩きにくいし一歩間違ったら、
急な斜面をゴロゴロと転がって落ちそうな場所、
ステップは小さく、その上雪がかぶっているし、
アイゼンはつけているから歩きにくいし怖い。

左も右も落ちたらタダじゃすまない。

久しぶりに股間がきゅーんとなる感覚(^^;)

とにかく一歩一歩緊張感をもって進む。

だが・・。。

岩稜地帯も抜けたか?と思ったらちょっとした崖。

おい・・これはロープないと無理だろ・・(^^;)

・・・・・・・・。

とりあえず、冷静に周りの様子を観察。

すると・・ロープ発見。

しかし、このロープも怖い。
ここから落ちたら本当に30mぐらいは簡単に落ちていきそうだ。

周囲をじっくり観察して、ロープの近くに行くが、
あと1m程の所でロープに手が届かない。
背中のザックは後ろの岩にごつごつ当たる。
立っている場所が狭くて体がぐらつく・・。
すべって落ちたら死ぬど(^^;)

もうちょっとで届くのに・・。。

強引に取りに行くのは断念して、周囲をよく観察すれば、ちょっと戻った場所からトラバース(斜面を横断する事)すればロープに手が届きそうなのを発見してロープに手を伸ばした。ロープに手が届いてほっとする。ロープがしっかり固定されているか引っ張って確かめた、ロープは木に結びつけてあったけど、かなりしっかりと固定されているようだ。

ロープがあってよかった・・。。設置してくれた人に心から感謝した。

ロープをしっかり握って降る。
途中はロープが雪に埋もれていたけど、
ぐいっ・・と引っ張るとズボボボ・・と
雪に埋もれていた ロープが出てきた!!

降りて行く。

無積雪期ならなんて事ないのかもしれないけどなぁ・・。。

降りてきて振り返った所。

とりあえず、核心部を無事通過できてホッと一息。

あ〜。おっかなかった。

あ〜よかった。

ここから先は難しい場所は特に無い。
ひたすら深い雪との対決。

登る。

とりあえず、鋸山まで行ければ、あとはほとんど平坦な道のはず。

もうひと踏ん張りだ!!

寒風ふきすさむ中、一人黙々と登る。

正面やや左には・・。

あれは、鋸山だね。

大岳山も見えた。

誰も歩いてない、獣しか歩いてない。

何の足跡かなぁ?

積雪期の天地尾根はなかなか歩きがいがある。

頑張る。登る。

※スパッツ持ってきた方がいいです(笑)

がんばっていたら・・ついに鋸尾根がすぐそこに。

その手前にあった謎の杭。

鋸尾根に合流すれば、鋸山はすぐそこだし、
あとは人の往来も多いからいろんな意味で安心だろう。

ほっと、胸を撫で下ろす僕です。